第60回(都城)大会「南九州の地域形成と境界性―都城からの歴史像―」をテーマとした論文と記録により構成。都城の地域特性を「境界性」と表現し、「境界性」をキーワードに南九州三ヶ国(日向・薩摩・大隅)の歴史的展開の様相を検討する。
雄山閣 2010.10刊 A5判・251頁 定価6,510円 |
Ⅰ 地域形成にみる境界性
近沢 恒典「閉塞方法からみた地下式横穴墓の類型化と地域色」
永山 修一「古代の日向・大隅・薩摩三国の位相―隼人とその支配をめぐって―」
堀田 孝博「物の動きから見た都城盆地の境界性―古代後半期の陶磁器類を中心として―」
栗林 文夫「石清水八幡宮寺による南九州の荘園支配」
Ⅱ 島津氏の動向と歴史意識
原口 泉「境界の政治学―庄内の乱から都城県へ―」
新名 一仁「南北朝期島津奥州家の日向国進出―その過程と歴史的意義―」
林 匡「薩摩藩の家格・役格整備と藩政文書の書式統一―島津吉貴藩政期を中心に―」
山下 真一「都城島津家の領域意識と『庄内地理志』」
Ⅲ 地域統合と境界性の変容
有馬 学「明治期の行政史料と地域社会―宮崎県庁文書を中心に―」
大賀 郁夫「小藩分立」から地域統合へ―幕末維新期における日向諸藩―」
籾木 郁朗「日露戦後の地方政治における「地域意識」創出の試み―大正期有吉忠一知事の施策から―」
渡邉 一弘「南九州における民俗地図の可能性について」
第六〇回(都城)大会の記録